欲張りなお殿様

山年はーりー / 2026/07/27 22:07現実を見る#現実を見る
あらすじ

お殿様が夢を叶えるお話です

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欲張りな御殿様

昔々、あるところに、それはそれは欲の深いお殿様がおらっしゃいました。
このお殿様、広い領地や立派なお城、
山のような金銀財宝をたくさん持ってはるというのに、
少しも満足がいたしまへん。
毎日毎日、家来たちを呼びつけては、
こない怒鳴り散らしておられたそうでございます。
「物足りん、何もかも物足りんわい!
もっと美味いもんを城へ集めよ!
 もっと美しい宝を他所の国から分捕ってまいれ!」
領民(領地の大坂の町人や百姓たち)から重い年貢を容赦なく  むしり取り、自分の蔵をパンパンにすることばかり考えている、本当に困った欲張り御殿様でおました。
ある日のことでございます。
この欲張りな御殿様、ついに
「この世のもんだけでは飽き足らんわい」と、
 とんでもないことを企みはりました。
「おい、家来ども。そこらの金銀財宝や美味いもんなぞ、
 もう見飽きたし喰い飽きたわ。
 この世に無い、もっと珍しゅうて、
 持っているだけで皆が腰を抜かすような
『天界の宝』
を、わしの城へ持ってまいれ!」
家来たちは
「天界の宝やなんて、そんな無茶な……」
 と、みんなで顔を見合わせて困り果ててしもうたのでおます。
そんなお城の騒ぎを聞きつけたのか、
ある日、城の門前に一人の怪しげな旅の行者がふらりと現れ、こない言い出しました。
「お殿様、天界の宝がどうしてもお望みでございますか。
 本じゃあ、この
『願いが何でも叶う、黄金の種』
 を差し上げまひょ。ただし、これには一つだけ、
 恐ろしい決まりごとがおますのや……」
行者は不敵な笑みを浮かべ、
お殿様にその種を差し出しながら、こない告げました。
「この種を城の庭へ植えなされ。
 すると、お殿様が『欲しい』と願うた宝が、
 一晩で木に鈴なりに実りますのや。
 ただし……一度木に実った宝は、二度と手放すことも、
 他人に分けることもできまへん。
 もし誰かにあげるか、捨てようものなら、
 その瞬間にすべての宝が消え失せ、
 お殿様自身にえらい災いが降りますさかいな。」
 欲に目が眩んだお殿様は、
 行者の警告なぞ右の耳から左の耳でおます。
「ガハハ!手放すわけがなかろう!
 わしはすべての宝を独り占めにしたいのじゃ!」
 お殿様はさっそく庭に種を植え、
「金貨を、美味い酒を、世界一の宝石を!」
と一晩中願い続けました。
すると翌朝、庭には見たこともない巨木がそびえ立ち、
お殿様が願った通りの金銀財宝や極上のご馳走が、
枝が折れんばかりにギッシリと実っていたのでおます。
「おお!これは素晴らしい!本当にわしのものになったぞ!」お殿様は大喜びで、実ったお酒をガブガブと飲み、
宝を抱きしめました。
ところが、ここから行者の言うた
「懲らしめ(罠)」が、じわじわとお殿様を追い詰め始めるのでおます。
 次の日の朝、お殿様が目を覚ますと、大変なことが起こっておりました。
 次の日の朝、お殿様が目を覚ましますと、
なんと枕元から寝床の周り、部屋の隅々に至るまで、
昨日実った金銀財宝やご馳走が「山」のように溢れかえっておりました。
「おお、これは凄いわい!……ん?
 いや、待て待て、ちょっと多すぎんか?」
そう、この『黄金の種』はな、一度実ったら最後、
毎日毎日、前の日の倍の数の宝が勝手に実って、
お城の中にドサドサと落ちてくる恐ろしい仕組みやったのでおます。
しかも、他人に分けることも捨てることもできまへんさかい、お城の中はあっという間に宝の山で埋め尽くされていきました。
廊下を歩こうにも金貨が邪魔で前に進めず、
寝ようにも宝石がゴツゴツして痛うて眠れまへん。
さらに、山ほど実った極上のご馳走は、
お殿様一人では到底食べきれず、部屋の中でどんどん傷んでえらい臭いを放ち始めました。
「うう、臭い……。
 これでは飯も喉を通らんわい!おい、
 家来ども!この宝を今すぐ蔵へ片付けよ!
  余ったご馳走はそこらの町人にくれてやれ!」
お殿様が悲鳴を上げて命令いたしますが、
家来たちは首を横に振るばかりでおます。
「お殿様、お忘れですか。
 行者様の言うた通り、
 この宝を他人に分けたり捨てたりしたら、
 その瞬間にえらい災いが降りますのや。
 誰も触るわけにはまいりまへん……!」
「な、なんやて……!」
欲張り御殿様は、自分が願った大好きな宝の山に囲まれながら、身動きも取れず、
一睡もできず、お腹を空かせてシクシクと泣き出しはったのでおます。
<筆者から一言>
まさに自業自得、欲張りが裏目に出た最高の懲らしめでございますなァ。
みなさんはこないにならんよう気をつけてくださんな。
お殿様は欲張り過ぎたのでこうなってしまった、
欲張りにも程がある。
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