FEATURED
蔓蔦の塔
作者: pianopia / 2026/03/20
男は山を登っていた。 差し込む夕日に照らされて、額の汗が光った。 男は顔を上げて空を見上げる。 いつも通っている山道だというのに、ゼェハァと息が荒い。 踏みしめる道は狭く、岩肌の道は一歩踏み外せば転げ落ちる急斜面であった。 じきに日が沈む。急いで山を越えないと暗くなってしまう。 今日中にこの資材を運ばなければ、建築に間に合わなくなるだろう。 背負っていた木材の荷物を担ぎなおし、また下を向いて歩き始める。 その時だった。 ばっ、となにかの影が男の前に現れる。 「うわっ!」 驚いた男は思わず大きく後ろへと飛び退き、足は岩の淵を踏み外した。 「しまっ……」 ざ...