「すこし先の未来」(仮) 「お皿洗っといて〜」 その声は人に向けられていなかった。 ジーというモーター音と共に鉄の腕が反応する。 いまや家事は人間の作業ではなくなった。 月額5万円のロボットが掃除・洗濯・料理・買い物すべてを行えるようになったのだ。 街には大量のロボットが溢れていた。ごくたまに道端で壊れて転がっている彼らを見かけることもある。 おおかた自転車にでも跳ねられたのだろう。 道の生垣の植物や電線のメンテナンスもすべてロボットが行っている。 しかしその中身は、というと遠隔にて操作している人間がいるのだ。 「んー、、、これは機器の交換が必要ですね。手配しておきます。」 ロボットを操作していた男はディスプレイの前でそう話す。 配送や交換もすべて人間の手で行うことがなくなり始めたのだ。 夜中の道路工事では無人で行われることが増えた。 ニュース番組ではバーチャルなキャラクターが原稿を読み上げている。 が、人の姿をしているため、大半の人間は本物の人間がしゃべっていると思っているだろう。 街の消費電力はいよいよ限界へと迫っている。 かつて放置されていた、人が住んでいない土地はすべて国へと回収され 火力・風力・水力・地熱発電をすべて組み合わせた発電所、ハイブリッドプラントの用地となっていた。