「一分だけ、私の言う通りに身を隠してください」 深夜の警備室。
新人の僕は、ベテランの先輩から真剣な顔でそう命じられた。 画面には、薄暗い廊下を映す防犯カメラの映像。
先輩はスマホのタイマーを【01:00】にセットした。
「いいですか、今からここを『それ』が通ります。
何があっても絶対に音を立てず、机の下に隠れるんだ。
一分経てば、消える」
カチリ、とタイマーが動き出す。
直後、廊下のカメラが激しくブレた。
画面に映ったのは、関節をあり得ない方向に曲げながら、
猛スピードで四つん這いになって迫ってくる
「巨大な人間の形をした何か」
だった。
ヒィッ、と息を呑んで僕らは机の下に潜り込んだ。
ドタドタドタドタッ! と廊下を激しい足音が通り過ぎる。 心臓がバクバクと鳴る。 あと三十秒。
足音は警備室の前でピタリと止まった。
あと十秒。
ドアの隙間から、
血走った巨大な目がこちらを覗き込んでいるのが見えた。
ピピピピ、ピピピピ。
「よし、一分だ! 助かったぞ!」
先輩が嬉しそうに机の下から這い出た。
しかし、ドアが開く。
入ってきた「それ」は、
逃げ遅れた先輩の首を一瞬でへし折った。
絶望する僕の耳元で、先輩のスマホが冷たく鳴り響いている。 画面には【スヌーズ:あと9分】の文字。
先輩がセットしたのは、
タイマーではなく、ただのアラームだった............
新人の僕は、ベテランの先輩から真剣な顔でそう命じられた。 画面には、薄暗い廊下を映す防犯カメラの映像。
先輩はスマホのタイマーを【01:00】にセットした。
「いいですか、今からここを『それ』が通ります。
何があっても絶対に音を立てず、机の下に隠れるんだ。
一分経てば、消える」
カチリ、とタイマーが動き出す。
直後、廊下のカメラが激しくブレた。
画面に映ったのは、関節をあり得ない方向に曲げながら、
猛スピードで四つん這いになって迫ってくる
「巨大な人間の形をした何か」
だった。
ヒィッ、と息を呑んで僕らは机の下に潜り込んだ。
ドタドタドタドタッ! と廊下を激しい足音が通り過ぎる。 心臓がバクバクと鳴る。 あと三十秒。
足音は警備室の前でピタリと止まった。
あと十秒。
ドアの隙間から、
血走った巨大な目がこちらを覗き込んでいるのが見えた。
ピピピピ、ピピピピ。
「よし、一分だ! 助かったぞ!」
先輩が嬉しそうに机の下から這い出た。
しかし、ドアが開く。
入ってきた「それ」は、
逃げ遅れた先輩の首を一瞬でへし折った。
絶望する僕の耳元で、先輩のスマホが冷たく鳴り響いている。 画面には【スヌーズ:あと9分】の文字。
先輩がセットしたのは、
タイマーではなく、ただのアラームだった............