米山公啓ウェブログ

2006年03月15日

日刊フジ物語一


 私が小学生のときに飼っていた柴犬の雑種、フジの話です。

 私の誕生日の日、フジは段ボールに入ってやってきました。
 近くの家で飼っていた、雑種のメリーの子供でした。
 「大事にしてあげてね」
 おばちゃんはニコニコしてそういうと、段ボールに入った
 子犬を置いていきました。
 まだ名前はありません。

投稿者 yoneyama : 15:41

2006年03月14日

日刊フジ物語二

私のところにやってきた子犬の名前をずっと考えていました。
 小学生なりに一生懸命に考え、日本一の犬ということで
 「フジ」という名前になりました。
 まだ犬小屋もないので、段ボールがフジの家でした。

投稿者 yoneyama : 15:46

2006年03月13日

日刊フジ物語三

商店街のくじで、アルミの鍋が当たって、それがフジの食器となりました。
  
 あまりおりこうでないフジは、アルミの鍋を見ただけで うれしくてしっぽを振ります。

投稿者 yoneyama : 15:48

2006年03月12日

日刊フジ物語四

だいぶ大きくなってきましたが、フジはなにも芸ができません。
 棒きれを持って帰ってくるよう投げると、
 棒きれめがけて走って行きますが、そのまま外へ出て行ってしまいます。

 テレビでは名犬ラッシーが流行っていました。
 うちの名犬はだいぶ違うようです。

投稿者 yoneyama : 15:49

2006年03月11日

日刊フジ物語五

愛知県の岡崎の美合というところの、社宅に住んでいました。
 社宅でも庭が結構広く、雪だるまも作れました。
 昔は大雪が結構降ったような気がします。

 学校は休みになり、雪だるまを作ってみましたが、
 フジがそれに飛びかかっていきます。

投稿者 yoneyama : 15:50

2006年03月10日

日刊フジ物語六

まあ、昔はいい加減なものでした。
 夕方になると、フジのクサリを放してやると、フジはあっと言う間に
 塀の外へ走っていきます。
 放し飼いだったのです。のんびりしていたものです。
 1時間くらい一人で走り回って、帰ってくるのでした。
 だから一緒に散歩などということはなかったのです。

投稿者 yoneyama : 15:52

2006年03月09日

日刊フジ物語七

フジには野良犬のクロという友達ができました。
 いつも周辺をうろうろしていて、黒い犬で顔もちょっと怖いのです。
 周辺のボス犬でした。

 でも、夕飯はフジのご飯をわけてもらっていたのです。
 フジが食べ終わるまで、じっと横で見ていました。

投稿者 yoneyama : 15:53

2006年03月08日

日刊フジ物語八

放し飼いのフジは夕方になり、クサリをはずしてやると、
 元気にどこかへ行ってしまいます。

 しかし、ある日、食事の時間になっても家に戻ってきません。
 夜9時を過ぎてから、近くの山の中へ探しにいきました。
 フジの姿はみつかりませんでした。

投稿者 yoneyama : 15:54

2006年03月07日

日刊フジ物語九

フジは深夜になっても帰ってきませんでした。
 どこかへ行ってしまったのか心配でよく眠れませんでした。
 朝、犬小屋に行くと、何もなかったようにフジが寝ていました。
 
 「フジ」と呼んでも起きません。よほど疲れてしまったのでしょう。
 顔には傷がありました。他の犬とけんかをしたのかもしれません。

 でも安心して学校へ行きました。

投稿者 yoneyama : 15:55

2006年03月06日

日刊フジ物語一〇

天気のいい日曜日、フジと遊んでいることがよくありました。
 フジの口に輪ゴムをかけると、フジはあせってそれをはずそうと
 前脚を必死に動かします。

 ちょっと可哀想ですけど、そんな遊び方で、フジと過ごしていました。

投稿者 yoneyama : 15:59

2006年03月05日

日刊フジ物語十一

愛知県を大きな台風が襲いました。
 ものすごい雨と風です。
 フジを家の中に入れて、台所のドアのとこに段ボールを置いて
 そこに寝かせました。

 私たちが台風を怖がっているのに、フジは平気で寝ています。

投稿者 yoneyama : 16:00

2006年03月04日

日刊フジ物語十二

台風が行ったあと、なんとフジの犬小屋の屋根が
 吹き飛ばされていました。

 材料を集めて、屋根を作ってやりました。
 フジはじっとそれを眺めています。

投稿者 yoneyama : 16:01

2006年03月03日

日刊フジ物語十三

放し飼いでしたが、ときどクサリをつけて散歩にも行きました。
 隣の家にクマという大きなシェパードがいました。

 クマの前ではフジはすくんでしまい、動きません。
 普段は元気なフジでしたが、クマだけは苦手のようでした。

投稿者 yoneyama : 16:02

2006年03月02日

日刊フジ物語十四

フジのお母さんのメリーは、私の家の前に住んでいました。
 フジは時々会いに行っているようでしたが、
 お母さんだと思っていたかは、わかりません。

投稿者 yoneyama : 16:03

2006年03月01日

日刊フジ物語十五

放し飼いができなくなってきたので、
 庭から出られないようにしていたのですが、
 フジは穴を掘って、逃走してしまいました。

投稿者 yoneyama : 16:04

2006年02月28日

日刊フジ物語十六

庭から脱そうして、戻ってきたフジはすっかり元気がなくなり
 1日寝ていました。
 食事も食べなくなってしまいました。

 家の中に入れて、段ボールに古いシャツを敷いて、そこに寝かせました。
 首輪を取ってやっても、あまり動きません。

 ときどき脚をけいれんさせていました。

 昔ですから、こうなっても、獣医さんに診せることもありません。

投稿者 yoneyama : 16:04

2006年02月27日

日刊フジ物語十七

私が小学校の卒業式を迎えた朝でした。
 元気がなくなり、ほとんど寝ているだけになっていた
 フジが、突然、よろよろと歩いて、私のところに近寄ってきたのです。
 私は抱き上げて、自分のベッドに寝かせてあげました。
 「行ってくるね」
 フジにそう言って家を出ました。

投稿者 yoneyama : 16:06

2006年02月26日

日刊フジ物語十八

小学校の卒業式から戻ると、
 フジは、私のベッドの上で、私が寝かせたままの姿で、死んでいました。
 
 まるで、私が小学校を卒業する日まで、待っていてくれたようでした。
 フジは5年間くらいしか生きていませんでしたが、私の小学校時代を
 一緒に過ごしてくれのです。卒業証書をフジのそばに置いてやりました。

投稿者 yoneyama : 16:07

2006年02月25日

月刊フジ物語十九

私のベッドで死んでいたフジを、シーツにくるんでやり、
 庭の隅に埋めてやりました。
 
 フジの親友の野良犬のクロも同じ時期に、いなくなっていました。

投稿者 yoneyama : 16:08

2006年02月24日

月刊フジ物語 最終回

フジがいなくなってから、ずいぶん時間が流れました。
 私はいま週に2回、東京の西にある、あきる野市まで
 車で診療にでかけています。

 西に向かって高速道路を走るので、晴れた日には、
 富士山がはっきり見えることがあります。

 すると富士山の山影に重なってフジの姿が浮かび上がってきます。
 フジは今でもずっと私と一緒にいるのです。

 

                        おわり

投稿者 yoneyama : 16:09

Syndicate this site (XML)

Powered by
Movable Type 3.17-ja

All Rights Reserved, Copyright (C) 2010, NIPPON SP CENTER, Co.,Ltd. & SKYARC System Co., Ltd,